代々木公園「cyodo」／ちょうどよく。

2021 10/20

2021年10月20日

※ 移転しました ( 2021年12月 )

緊急事態宣言、明けました。ということで今日はひとりではなくふたりカフェ。透きとおりそうな色白美肌の透明美人と、代々木公園の「cyodo(ちょうど)」へ。この不思議な名前は、“ちょうどいい”から来ているそう。ずっと前から狙いを定めてはいたものの、今年12月の移転が決まったそうで駆け込み来店。宣言明け間もないためか予約不可の中、オープン前から待ちかまえる作戦を決行。15分前に到着して3組目。大人気！

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ここはおフランス

なんと美しく丁寧な空間。ものが多いのにごちゃごちゃ見えないのはセンスなのかフランス感なのか。厳選された上質でお気に入りのものたちが、大切に飾られている感じ。そしてそれらは毎日1mmのズレもなく決められた場所にありそうな、完璧に整った空間です。

夜の詩

メニューはペロリと紙一枚。何かの詩かしら、くらいのソワソワ〜っとしたフランス語が並んだメニュー。日本語もふってあるのに、なぜか全然入ってこない。一生懸命読みましたら、2/3くらいはドリンク、残りがフード。そのフードのほとんどがお酒のお供的なアラカルト。ランチメニューは別紙であると信じて待ってしまうほど、バータイムのようなメニュー。

やっとのこと一番端っこにちょろっと載っているランチセットを発見。アラカルトの中から以下の４品のみ、ランチタイム限定でコーヒーor紅茶が付くシステム。

キッシュロレーヌ
クロックムッシュ
クロックマダム
サラダニソワーズ

＋300円で野菜のお惣菜盛り合わせがつけられます。

メニュー上ではだいぶ追いやられた扱いだけど、カフェのランチメニューの数としては少なくない。でもやっぱり、ランチ利用を推してない感はものすごい。店主によると、「ここは本来アラカルトとお酒を楽しむお店」なのだと。それを聞いて一瞬で黙る、お惣菜つけるとかつけないとかでゴニョゴニョ悩んでいた我々。

確かに、ドリンクメニューはどれもこだわりを感じる独特なものばかり。特に面白いのはフルーツのソーダで、サバっとした性格の透明美人が悩み苦しむほどどれも捨てがたい。らしい。フルーツ嫌いのわたくしは何の相談にも乗れず、すまない。たしか決勝まで残っていたのは「柿と洋梨のソーダ」と「プラムとローズのソーダ」。からの後者が優勝。涼やかなピンクがなんともきれいで、自分のじゃないのに思わず盗撮。ランチセットの対象外だけど、単品オーダーするほどの魅力あり。

やさしいお味

さて、わたくしのほうも悩んでいまして。キッシュとクロックムッシュの間でゆらゆら。トマトチェックのため、キッシュの中身を尋ねたところ、「普通のキッシュロレーヌ」だと。とにかく「ロレーヌ」なのだと。どうやら本来のキッシュロレーヌとはベーコンと玉ねぎのシンプルなものみたいで。もしや常識でしたか。知らずに生きてて申し訳ないです。世のブロッコリーとかきのこのキッシュは、勝手なアレンジバージョンだったのですね。勉強になったけど、なんだか距離感じちゃったからクロックムッシュに決定。目玉焼きが乗ってない方がクロックムッシュってことはちゃんと知ってたもん。(得意げ)

クロックムッシュ ¥1,400

ふっくらむちーんって感じの見た目がたまりませぬ。味は薄めだけどクリーミーさで口の中はちゃんと充実。キメの細かいしっとり白パンがなめらかで大変美味。黒いゴツゴツ系のパンが好きだけど、たまにはこういうのも良き。

野菜の惣菜盛り合わせ＋¥300

¥300でこれは贅沢！ランチセットをオーダーするなら絶対つけるべき。アラカルトのいいとこどり。キャロットラペ、きのこのマリネ、ラタトゥイユ。どちらも味はやっぱり薄め。というか素材の良さを生かしてる感じ。にんじんとエリンギの歯ごたえがしっかり残っていて、手を加えすぎない良さがとにかく絶妙。物足りない感じはまったくないけど、お酒のお供となるとどうなのかしら。このやさしい味に合うナチュールワインがセレクトされているのかも。

コーヒー(set)

セットだけど量たっぷりの嬉しいパターン。まったりとコクのあるコーヒーでした。天保堂という焙煎所のこだわりの豆のようです。長野の山奥(?)にある骨董屋さん併設の焙煎所だとか。このカフェとイメージぴったり。

洗礼

お会計は別々不可です。それはよくある話。なんだけどレシート渡せません、はレアケース！あとから割り勘したいが金額わからずにどうしましょう、、と真っ白になっていたところ、メニューを写真に撮ってゆかれよと。さらに税抜き価格になってるから気をつけよと。親切なアドバイスしてあげてるみたいな空気になってる摩訶不思議。わたくし鈍感には自信ありましたけども、さすがに気づきはじめましたよ。これ、あれだ、いじわるだ。

ちょうどよく

思い返せば、話すたびにジワジワいじわるを浴びていたようで、すっかり弱り果てた帰り道。隣の透明美人はさらに透けて見えなくなりそう。お料理と景色だけが、我らに優しかった。たぶん、写真いっぱい撮ってたから嫌われちゃったのかも。ごめんなさい。あのいじわるのフルコースで、どうかなかったことにしてください。ちょうどよく。