代々木上原駅から徒歩5分、ビュンビュン車が走る駒沢通り沿いに、ひとあし踏み込めば車なんて見えも聞こえもしなくなりそうな、のんびり空間があります。
ひときわ高い天井から照明がつり下がり、大きな窓に囲まれた、開放的な空間。さほど広くはないものの、まったくそうは見えない作り。スタッフは充実の人数だけど、ほどよいそっけなさで自然な居心地。良いユルさです。さて、何をいただこうかとメニューをまじまじ見つめてみるけど、全然決められない選べない。他で見たことがないメニューばかりで、どうしよう、どれも食べたい。
泣く泣く(?)看板商品というサバサンドを。なんとこちらのサバは干物で、茨城県の干物屋さん「越田商店」のものだそう。こんなおしゃれなカフェで、干物を?「今日のお昼ごはんサバの干物だった」って言ったら普通定食屋さんでしょう。百歩譲って干物がアリだったとしても、サバサンドはこんな映える食べ物ではなかったはず!どうなってるのこの美しく華やかなサバサンドは。そんなポジションじゃなかったでしょうよ。固定観念、こっぱみじん。
サバのサンドイッチ ¥1,650
注目の干物は、身がふわっとしてるわ脂がのってるわでとても美味。パンの酸味とナイスコンビネーション。パンは北海道十勝産の全粒粉を使用したカンパーニュで、ほどよい弾力。そしてこの映えまくりのショッキングピンクは、赤玉ねぎのピクルス。そしてサバの下にはきのこのソテーが。このピクルスときのこの歯ごたえが満足感をくれます。
一番驚いたのは、パンに塗ってあったピーナッツバター。まさかまさかの、サバに合うのね。というかピーナッツバターではなく、ナッツバターでした。ピーナツ以外にもアーモンドやくるみも入った、より深みのあるお味。こちらもこだわりの食材で、高知の「DADA NUTS BUTTER」というお店のものだそう。
ひとつひとつの食材へのこだわりがすごい。そしてそこに、なんだか人間のつながりとかあたたかみみたいなものがチラつく。「越田商店」も「DADA NUTS BUTTER」もどんなお店かは全く知らないのだけど、丁寧で素晴らしいものづくりをしていることはギュンギュン伝わってきます。そしてそれらの食材の組み合わせが天才的。お料理されることでぐんとおしゃれな味になる感じ。
聞けばこちらのカフェ、日本全国のローカルな食文化をグローバル目線で世に送り出す、というコンセプトとのこと。お洒落なカフェは星の数ほどあるけれど、コンセプトの強さからもう別格。
UEHARA KITCHEN
東京都渋谷区上原3-1-17
営業時間:8:00-21:00
https://www.kitchenandco.net/uehara